sayonara terminal

AJISAI sayonara terminal歌詞
1.流れ星

作詞:松本俊
作曲:松本俊

静けさが響く そんな夜に君と
星空の下で待ち合わせた

大人になること まるで拒むように
これが僕らの小さな抵抗だ

真夜中の校舎に忍び込み 屋上で君と寝転んでいた
体は空へと吸い込まれてく

流れ星ひとつだけ夜空に輝いて消えた
一瞬だけの命なら なんて儚いんだろう
綺麗なままじゃ人は生きていけないけど
僕らどうかずっと変わらないで
そう願った 流れ星に

ずっと子供でいたい 君はそうつぶやいて
少し悲しい顔をしてた

なぜだろう 心の真ん中が苦しくて
何も言えなかった
僕も同じような気持ちだったから

流れ星またひとつ 夜空に輝いて消えた
手を伸ばせば掴めそうで だけどすり抜けてくから
君だけは離さないように強く手を握るよ
今の僕に出来ることは
ただそれだけ それだけでも…

誰かが決めつけた星座の形みたい
僕ら何かに縛られてる
たった一つの答を探して

数え切れないほどの 星と星を線でつなぐ
ほら自由に描けるだろう
答えなんて無限にあるんだ

流れ星ひとつだけ夜空に輝いて消えた
一瞬だけの命でも なんて美しいんだろう
綺麗なままじゃ人は生きていけないけど
僕らどうかずっと変わらないで
そう願った 流れ星に


2.虹

作詞:松本俊
作曲:松本俊

僕が生きる意味を 探した時、迷った時
浮かぶ顔はいつも ただ一人だ
雨上がりの空を 見上げてたら隅っこにほら
とても綺麗な 虹を見つけたよ
この虹が消えてしまう前に
君にも見せてあげたい
そんな馬鹿みたいな 理由だけど

今「ありがとう」って気持ち 伝えたくて
水溜まり飛び越えて 君のもとへ
風のように鳥のように
あとほんの少しだけ
まだ虹よ消えないで

もしもこれが映画の ラストシーンなら
きっと最後は予想通りに終わるんだろうなあ
だけど僕らが生きる世界は
気まぐれで残酷で
そしてもっと 素敵なはずだから

今「ありがとう」って気持ち 伝えたくて
暗闇照らしてくれたのは君で
だから次は僕が 君のその泣き顔を
笑顔に変えたいから

君も生きる意味を 探した時、迷った時
僕のこと 思い出してほしいんだ

今「ありがとう」って気持ち 伝えたくて
僕は空の彼方を 見上げたけど
どこを探してみても
もうそこにあるはずの 虹は消えてた
そんな僕を見て 君が笑うから
釣られて僕まで 笑ってしまった
君と僕の心を 繋ぐようにほら
小さな虹が今架かったよ


3.はづき

作詞:松本俊
作曲:松本俊

空は快晴 雲をちぎってく海辺の風
君を乗せてペダル漕いでスピード上げた 遠ざかる町
歪んだ世界を夢中で駆け抜けた きっと自由だった

夕暮れ赤く染めた街路樹に寄り添う影
いっそこのまま時を止めて 永遠さえもあると信じてた
だけど今は嘘で着飾った言葉並べて
いつか僕ら大人になってゆく 戻れはしないよ

君と見てたあの夏はまるで蜃気楼のように
きっと霞んでゆくから瞼に焼きつけた
君を…

遠くで微睡む葉月の雨
乾いた心に触れて すぐに通り過ぎて行く

君が流した涙は夜空に咲く花火のように
輝いてすぐ消えた かすれる声

さよなら 手を振る君に 僕は振り返らずに行くよ
季節が巡るたびにまた思い出すのさ
君を…


4.リメンバー

作詞:松本俊
作曲:松本俊

夏の終わりが近付いて ヒグラシが鳴く畦道を
裸足のままで駆けてゆく あの頃の僕がいました
みんなと「じゃあね」した後で 俯き歩く帰り道
本当は全部わかってた だけど「ただいま…」って呟いた
キッチンにはママがいて ガレージの奥にパパがいて
そんなありふれた幸せ ずっと夢見ていたの

だけど僕は一人ぼっちだったんだ
呼んでみても返事はなかったんだ

そして大人になった僕は 君に 全てを求めてしまうの
母の温もり 父の優しさ
君は君でしかないのに
それでも君はただ黙って 抱きしめてくれるから
なんだかね 満たされるんだ
いつかまた巡り巡る夏
リメンバー

今は繋いだ君の手を 離さないように歩いてこう
夏草揺れる帰り道 平凡過ぎる世界が

どうか明日も途切れないように
それが僕のささやかな祈り

だけど子供のままでいたい僕は あの日と同じ空の下
瞳を閉じてみた 耳を澄ませた
風や木々の囁きが
あの頃確かに聞こえたんだ でもどんなに願っても
今はもう何も聞こえない
「それでいい」と 君は隣で笑う

萎(しお)れた向日葵 止まない蝉時雨
誰かが忘れた麦わら帽子
さよなら夏の日 手を振るあの子は
置き去りのままの幼い僕だ

そして大人になった僕は 君に 全てを求めてしまうの
母の温もり 父の優しさ
君は君でしかないのに
その腕の中で包まれ眠る時 なぜだろう?
懐かしくて また蘇る遠い夏
リメンバー

君がいれば…

夏は終わってしまうけど
僕らの明日は続いてく


5.眠らない魚

作詞:松本俊
作曲:松本俊

明かりを消した薄暗い部屋で 君の背中にもたれながら
このアパートの小さな窓から見える夕日が好きでした

笑い合ったり傷つけあったり ただ季節が過ぎることも
僕はあたりまえに思ってたんだよ
あたりまえのことなんて何ひとつ無いのに

君が好きだったあの歌を知らずに□ずさんでいた

明日もし世界が終わるとして きっと僕が最後に願うことは
どんな地位や名誉や金でもなく
ただ君に逢いたい そう願うだろう

愛って形がないくせに壊れてしまうものなんだな
やっと気付いて僕はそのかけらを
パズルみたいに組み立ててる

守りたいもの 大事なもの あまりに多すぎて
でも本当はただひとつだけ

この街はまるで深い海の底みたいだ
そこからまた僕は君を見つけられるのかな

明日もし世界が終わるとして きっと僕が最後に願うことは
どんな地位や名誉や金でもなく
ただ君に逢いたい 君に触れたい

だけど明日もきっと世界は続くだろう
今日と何も変わらず流れるだろう
限られた時間の中を泳ぐ僕は 眠らない魚になって君を探す


6.君色ノート

作詞:松本俊
作曲:松本俊

ノートの隅に君を描く だけど滲んだ水彩画のように
なぜかボヤけていた 記憶の中の君はもう
どんどん遠ざかってること 気付いて僕は怖くなって
誰もいない海まで来た 君が好きだったこの場所は

潮風とさ 夕陽が混ざり合って
君と同じ匂いがして 今すぐ逢いたくなった

もう声は届かない 波の音だけが聞こえた
真っ白なノートには でたらめに描いた君が笑ってる

もう一度僕は君を描く だけど足りない色ばかりで
あれとこれを混ぜてみたり 涙で少し薄めてみたり…

突然の風 描きかけのページは
ちぎれ飛んで 水平線の彼方へ消えてしまった

ねえ 夢で逢えたなら それだけでよかったのになあ
夢から覚めたあと 今まで以上に寂しくなっていた

月明かりが波に揺れて 風が僕の頬をかすめた
目を閉じれば こんなに近くに君はいたんだね

強く強く 想い描いたら
こんなにも君が溢れて
心のパレットに僕しか知らない君の色が増えてゆく

誰もがいつかは忘れてしまうものだとしても
今はまだこのままで 色褪せたノートをそっと閉じた


7.かくれんぼ

作詞:松本俊
作曲:松本俊

誰かが作った理想の君を 君はずっと演じてたんだね
本当の自分に鍵を掛けて その鍵さえなくしてしまった
明かりの消えた小さな舞台で それでも君は演じ続ける
本当の君が消えてしまう前に
なくした鍵は僕が探してみるよ

何億年も前に遡れば 人はみんな同じ動物です
だけどお節介な神様が “個性”だとか“自分らしさ”だとか
余計なものを僕らに与えた 有難迷惑な話でしょ?
こんなものに苦しむくらいなら 誰かと同じ心と身体でいいの

君は小さくつぶやいた 窓の外はまだ夜の闇が続いてる

隠れていないで出ておいで 怖がらずに
話を聞かせて 本当の君を知りたいんだ

こんな汚れた小さな地球(ほし)でも宇宙(そら)から見下ろせば美しいという
遠くから見ればこんな私も少しは綺麗に見えるのかしら?
そう言って君は人を遠ざけた 誰も近づけないようにした
自分で掛けたその鍵のせいで誰も来ない どこにも行けないでいるの

君は寂しいって泣いたんだ ほらいつの間にか夜は終わりを告げて

朝焼けキラキラ その涙照らしました
こんなに綺麗なものを僕は知らなかったよ

上手に言葉に出来なくてもあなたに伝えたいことがある
演じる事に疲れ果てたあなたに伝えたいことがある
あの日なくした心の鍵は きっともう君には必要ないんだ
だって今その目から溢れ出した涙が 本当の君なんだから

隠れていないで出ておいで 実を言うとね
さっきからこっちを覗いていたこと知ってるんだよ

僕は手を伸ばしている 今なら届く気がして
扉の向こう震える君の名前を何度も呼んでいるよ
いっせーのせーで さあ君も手を伸ばして
掴んだらもう離さないから一緒に行こう
君がまだ知らない広い世界を見せてあげたい


8.サイハテトレイン

作詞:松本俊
作曲:松本俊

眠い目こすって 午前4時 始発電車を
人影まばらなホームで 僕は待ってる
何度も夢に敗れて 裏切られて
そしてここへ辿り着いたんだ

疲れた顔のサラリーマン
鳴らないケータイ
ひとり寂しく見つめてる華奢な女の子
みんなどこへ行くんだろう
どこへ帰るんだろう
そこに安らげる居場所はあるのかい?

誰のせいでもないのに
被害者気取っていたのは
きっと自分の弱さを 認めたくないから
でも「頑張れ」って言葉より
「頑張らなくてもいいよ」って
君が言ってくれた時
涙 零れました

静寂の中 夜明けと共に
電車は今日もやってきて
繰り返すだけ それだけなのに
僕はなぜ待ち続けているんだろう

急ぐ理由はないけれど 僕は何度も
時計の針を気にしては 溜め息をつく
一体どこで間違った どこで諦めた
巻き戻すためのボタンがあればなぁ…

無機質なアナウンスが電車の到着を告げる
気がつけば もう世界は動き始めていた
ほら こんな汚れた街にも
綺麗な朝日が昇って
望んでもいない希望を
今さら見せつけた

静寂の中 ドアが開いた
本当はとても怖いんだ
これに乗れば そうまた同じ日々
わかってる このままじゃ駄目だって

埃まみれの夢のかけらが
ポケットの中から落ちた
それは小さく でもまだ僕を信じて
こんなに光ってる
忘れていたんだ 本当にごめんよ
慌てて僕は飛び出した
誰もいなくなったホームで一人
朝焼けに染まった街を見てた


9.失恋レシピ

作詞:松本俊
作曲:松本俊

人を好きになんてならなきゃよかった
だって出会わなければ別れも来ないから
君の涙なんて知らなきゃよかった
そしたら笑顔でさよならできたのに

今でも時々そう思うことがあるよ
そしてそんな自分がとても嫌いです
君を悪者にすることで
自分を慰めてた俺が嫌いです

いつか二人で行った夜のドライブ
はしゃぎ疲れて眠る君の横顔
初めて守りたいってそう思った
あの日言えなかった言葉

「出会ってくれてありがとう
愛してくれてありがとう
こんな俺のそばにずっといてくれてありがとう」
今なら言えるのに 素直になれるのに
どこを探しても 君はもういない

一人でいるよりも 人ごみのほうが
孤独を感じる不思議なこの都会(まち)で
俺はそれなりに元気でやってるよ
でもね たまにふと恋しくもなるよ

いつも君が作ってくれてたオムライス
真似して俺も作ってみたけど
味が無くてまずくって笑えてきたよ
レシピでも書いててもらえばよかったなあ…

涙ひとつ零れた 切ない味になった
噛み締めるたびに どんどん溢れ出してくるの
誰もいないこの部屋 布団に包まって
泣き疲れるまで泣いて眠ろう

本当は思い出なんかにしたくないよ
思い出にすれば全部綺麗になっちゃうから
だって嘘や涙で汚した日もたくさんあってさ
それもきっと二人の足跡だから

「出会ってくれてありがとう
愛してくれてありがとう
こんな俺のそばにずっといてくれてありがとう」
忘れられないけど 忘れたくないけど
少しずつ歩き出すよ
終わらなきゃ始まらないから

君を好きになって本当によかった
あんなに笑ったり泣いたりしたこと
小さな自慢だよ 俺の誇りだよ
それが胸の奥で 今も光ってる


10.ハルフワリ

作詞:松本俊
作曲:須江篤史

君と二人で歩いていた やわらかな午後
まだ少しだけ冷たい風 街に吹いてる

大きく背伸びして
思わずあくびした僕を見て

君が笑う それだけで
春が来たよ この街にも
花びらが風に舞う
フワリ フワリ
どこまでも飛んで行こう
春風に乗って 僕ら自由きままに

君と繋いだ手の温もり 木漏れ日みたいだ
どうでもいいような口笛がほら 今歌になった

近道探すより
たまには回り道 焦らずに

君に届け この想い
言葉だけじゃ頼りないから
また強く手を握る
頬を赤く染めたのは
春のせいとごまかしながら もう一度

君が笑う それだけで
春が来たよこの僕にも
心の雪が溶ける
フワリ フワリ
どこまでも飛んで行こう
春風に乗って
僕ら自由きままに

聞こえる春の歌が


11.花唄

作詞:松本俊
作曲:松本俊

線路沿いに咲いていた小さな花
君にも名前はあるの?教えてよ
今にも踏まれてしまいそうで
だけど気付かないフリをした

排気ガスの煙で目がにじんだ
本当にそうなのかな?
もうわからないや
誰かに気付いて欲しいんだろう この街の中で

みんな同じ悩みや孤独を抱えてる
それでも君のように強くなれるかなあ

ただ風に吹かれて揺れる花
枯れないように 折れないように
しなやかにその身を任せ咲いている
誰のためでもなく ただ自分のため

埃が舞い上がって光っている
何だかすごく綺麗だな だけどきっと
一人じゃ輝けないんだろうな そこには必ず

陽射しがあった
じゃあ僕だって誰かを照らせるかな?
一人じゃない もう一人じゃないよ ねえそうだろう?

ただ雨に打たれて濡れる花
雲が切れるのを待って
でもこの雨さえ命を創るから
どんな世界でも僕は生きてゆける

ただ風に吹かれて揺れる花
枯れないように 折れないように
しなやかにその身を任せ咲いている
誰のためでもなく ただ自分のため

いつかまた君に逢いに来るよ
その時は笑っていれるように


12.リフレイン

作詞:松本俊
作曲:須江篤史

夕暮れ間近の濁った空 見上げてた
なぜだろう?本当は笑いたいのに涙が出た

一人ぼっちの帰り道
みんな消えて無くなれと呟く

どうして明日はやって来るの?
どうせ今日と何も変わらない そうだろう?
塗り潰しただけの未来が
もう夜の向こうで待ってる

誰かを傷つけるために 今僕が放った言葉
誰より一番傷ついたのは僕自身だった

神様も僕もあの人も
同じ産声上げて生まれたよ

どうして生きる意味を探すの?
だって息をしてる それだけでいいだろう?
でも僕らはそんなものじゃ
もう自分の価値がわからない

手にしたい 奪いたい物はいつだって
目に見えない物ばかりだから
掴んだつもりで 高らかに揚げた
僕の手の中は空っぽだった

どうして明日はやってくるの?
どうせ今日と何も変わらない そうだろう?
僕は歩き続けてゆく
未だ深い闇の中を


13.交差点

作詞:松本俊
作曲:須江篤史

吐き出す息はやけに白く
冬の夜空に吸い込まれた
僕は一人で眺めている
目の前に広がった巨大な交差点

急ぎ足で通り過ぎて行く人や
どこか遠くを見つめて ため息つく人
ここには色んな希望や孤独があって
僕はなんだか淋しくて膝抱えた

(もう終わりにしようかなぁ…)
なんて考えていた
果てしないこの道の中で
僕は何を手にし何を捨てた?

この場所に僕が今いること
誰か「間違いじゃない」って言ってほしい

後ろ指を指されても 笑われても
誰かを笑うよりはずっとマシに思えた
人は弱い生き物です だけど僕は
あなたを想うその時は強くなれた

もうどれだけの人が現れ消えたんだろう?
それぞれ違う場所を探し求め
迷いながら歩いてる

信号が青に変わるたびに
人は流れてく 僕だけ残して

最後の足音が やがて小さくなって
ふと顔を上げた時 もう人影は消えて
誰もいなくなってた

いつまでもここには居れないなあ…
だから僕は今ゆっくりと立ち上がる

凍えそうな両手を温めて
僕は交差点の向こう側へ
そこに何があるかなんて
分からないけど